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子どもたちに寄り添い続けたからこそ完成した
こだわりの園舎とスマートコード式

流山市にあるくすの木保育園は、全国でもあまり例のない無垢材を使用した「燃え代設計」を用いた保育施設です。木の温もりを存分に感じられる園舎で、子どもたちは自然を身近に感じながら、のびのびと過ごしています。窓には園児の安全を最大限考慮して、ニチベイのロールスクリーン「ソフィー」スマートコード式を採用したそうです。
今回、園長の櫻庭先生と建築士の児玉さんに園や建物について、スマートコード式を採用した経緯などを伺ってきました。

子どもたちの思いに寄り添うくすの木保育園

  • 自然との関わりを大切にしているくすの木保育園。園児たちは外遊びが大好きで、近くにある大畔(おおぐろ)の森によく散歩に行くそうです。森で集めてきた木の実や枝で作られた子どもたちの作品が園のいたるところに飾られています。
    また、くすの木保育園では一斉保育ではなく、ひとりひとりの興味や関心に寄り添った保育が行われています。

「先日、水に興味があるお子さんがいたので、水が流れる様子を観察できるおもちゃを作ってみたんです。他の子たちも『水ってこんな風に流れるんだ!』と目を輝かせながら遊んでいました。他の子たちが身の周りのさまざまなことに関心を持つきっかけにもなりますので、できる限りひとりひとりの思いに寄り添って保育しています。」

流山の原風景を新しい形で引き継げる保育園に

現在、都市開発が盛んな流山市。保育園前の道路を挟んだ向かい側のエリアは、急速に市街化が進み、大きなショッピングセンターやマンションが建ちならんでいます。一方、くすの木保育園がある大畔地区は、かつての自然豊かな流山の景観が今も残っています。

「設計のコンセプトは、“流山の自然に包まれ、木の温もりが感じられる保育園”です。流山の原風景を新しい形で引き継ぎたいと思い、農家の母屋のような大屋根をかけ、大きな縁側と無垢の柱に包まれた意匠にしました。子どもたちには積極的に縁側に出て、流山の自然を感じながら過ごしてもらいたいです。」

自然と外に意識が向かう保育室

玄関のドアを開けると、木の芳香に包まれます。木造の園舎は園児や職員の心が落ち着つき、穏やかに過ごせるのだとか。
くすの木保育園では、園児たちが長い時間過ごす保育室にも木材がたっぷりと使われています。

  • 「保育室は木に包まれていて、自然と外に意識が向くような設計にしました。現代の子どもたちは安全面や感染症により、外出する機会が減っていますよね。だからこそ、子どもたちには外が楽しい場所だと知ってもらいたい。屋内にいても窓からの明るい陽射しや外界の揺らぎが感じられるように、開放的に縁側に面し、自然と園庭へ意識が向かうデザインにしました。
    ハイサイドライトと縁側まで連続する天井も外と繋がる要素のひとつ。ロールスクリーンを閉めて直射光を遮りながらも、常に自然光が天井を介して屋内を照らします。この建物のデザインひとつひとつが、自然との関わりを大事にしている園の方針を反映しているんです。」

  • ロールスクリーンで強い陽射しと外からの視線をカット

意匠性と安全性を両立した無垢材の「燃え代設計」

くすの木保育園では、梁や柱を見せるために「燃え代設計」が用いられています。燃え代設計とは、火災時に構造材が燃え尽きないよう、通常の断面よりも厚い材木を使用した構造のこと。万が一、火災が起きたとしても1時間以上建物の倒壊を防げます。
通常は集成材を使用しますが、くすの木保育園では大径製材(無垢材)も使用。大径製材を使った準耐火構造の建物は、全国的にもまだ少ないそうです。

「今までJAS(日本農林規格)の認定を取った大径製材があまりなかったのですが、最近になって少しずつ認定材が増えたこともあり、この建物が実現しました。なるべく自然なままの木の風合いの良さを子どもたちに感じてもらいたくて、手の届く部分はすべて大径製材にしています。」

子どもの手に触れない安心感が採用の決め手

園からロールスクリーンにしたいと要望があり、子どもがいても安心して使える商品を探していたところ、たどり着いたのがニチベイの「スマートコード式」でした。

「一般的なチェーン式も荷重がかかるとチェーンが外れることは知っていましたが、より安全なものにしたいと考えました。そうして調べていくうちに、「スマートコード式」に出会い、先生にご提案しました。子どもの手に触れないという安心感が選定した理由です。スマートコード式は高い位置に操作部があって、子どもには届かないけれど、大人は手を伸ばせば操作できる。操作性、安全性に優れた商品だと思います。」

スマートコード式とは、「誰もが安心して使えるものをつくりたい」との想いから開発されたニチベイオリジナルの操作方式です。操作コードが上部にあり、小さな子どもの手に触れる心配がありません。
さらに、操作コードがループ状になっておらず、子どもがいる空間でも安心して使えます。
その高い安全性から、グッドデザイン賞とキッズデザイン賞を受賞しました。

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「スマートコード式は子どもがコードを触る心配がなく、安心して保育に専念できますね。スクリーンがすぐに上げられる点も気に入っています。」

窓辺をより良く見せる“見切り材”

  • ロールスクリーンの前面には、柱や梁と同一素材の見切り材が設えてあります。これにより、ロールスクリーン上部の隙間を隠し、光漏れを低減。巻き取り部分も露出せず、窓辺がすっきりしています。

「ロールスクリーンが露出する前提の設計でしたので、どのように納めるかが課題でした。梁や柱をすっきりと見せたくて、同じ木材で最小限の見切りをつけようと考えたんです。見る角度と高さの隙間の関係を何度も確認して、見切材の高さを決めました。」

まとめ

子どもたちを大切に想うからこそ、たどり着いた無垢材での燃え代設計やスマートコード式。そんな優しさに溢れた園舎で育った園児たちは、きっと“くすの木”のように大きく、伸びやかに育っていくでしょう。

Photo/Akiko Osaki 
Text/なるほどブラインド編集部

2022.10.14 公開

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