
移りゆく銀座の文化と眺めを楽しめる
ハイアット セントリック 銀座 東京

出版印刷業を彷彿とさせるアートワーク
元新聞社の地に建てられたホテルということもあって、かつて周辺で繁栄していた出版印刷業の名残りがインテリアデザインとして随所に散りばめられている。3階のダイニング バー&ラウンジ「NAMIKI(ナミキ)667」は、大胆で開放的な吹抜けに活版文字をモチーフとした作品が飾られ、さまざまな意匠の椅子が配された印象的な空間になっている。
客室階はフロアによってカラーやアートワークを変えている。例えば、12階のエレベーターホールでは、タイプライターなどをモチーフにしたアートワークが出迎えてくれている。

明るく解放的な窓辺を演出するローマンシェード
全164室の客室の中でも特筆すべきは、並木通りに面したテラスとキッチンダイニングを備えるスイートルーム「ナミキスイート」だ。
上質でありながらも肩肘を張らないリビングのような雰囲気の調度品に対して、明るく開放的な窓まわりを演出するのは、シンプルなシャープスタイルで仕立てられたローマンシェード。電動一斉操作によりゲストは大開口窓であってもストレスなく光をコントロールできる。採用された生地はヨーロッパトップブランドのボイルレースで、上質な光沢感を持つ市松模様が客室内のさまざまなアイテムとリンクし引き立て合う。

アイランドキッチンのリズミカルに配置された照明にもテーマモチーフの市松模様がある。シャープスタイルのローマンシェードによる規則正しい水平ラインと市松模様が織りなす幾何学的な意匠と、壁面の大胆なイラストとのコントラストが楽しい。


銀座の光と鼓動が感じられる窓辺
ベッドルームの窓には、リビングと同じ電動ローマンシェードに電動ロールスクリーンが組み合わされている。ゲストに安眠を提供するため、ロールスクリーンの生地には遮光一級のものを採用。さらに、スクリーンの生地左右両端を挿通させた「ガイドレール」、遮光用の見切りなど、さまざまな光漏れ対策を施した。特にこだわったのはガイドレールの設置方法。ガイドレールを壁面に埋め込んだり、窓枠と一体化させたりすることで、意匠面、機能面ともに向上させた。



目覚めはスイッチ操作でロールスクリーンのみ上昇させ、ボイルレースを通し柔らかな光を取り込める。銀座の光をより感じたくなったらシェードを上げテラスに出れば街の鼓動を体感できる。
※この記事は、「週刊ホテルレストラン」第53巻16号に掲載された原稿を再構成したものです。