開発生産本部 商品開発部 設計技術課
K.S
主な業務は、ニチベイ商品の改良改善です。観点としては大きく2つあって、1つは「より使いやすく」。実際に使っていただいているエンドユーザーさまの声や、生産現場からの意見をもとに、使う人のことを考えた改良設計案を策定していきます。例えば、「ブラインドを下ろすのをスムーズにしたい」「床に接地したときの音が気になる」という意見をいただけば、原因を究明し、それが達成できるよう部品を変えるなどして設計し直します。
もう1つの観点は「より作りやすく」。ブラインドは量産品です。量産ラインで大切なのは組み立てやすさとコスト。量産現場からのフィードバックを元に、どうしたらもっと簡単に組み立てやすくなるか、ということを常に考えながら取り組んでいます。生産効率がよくなれば自然とコストも下がります。そうした改良改善に日々取り組んでいます。
大学で電気電子工学を学び、新卒で通信機器メーカーに入社。6年間電子回路設計に従事していました。好きなことをやれていたので仕事自体は面白かったのですが、電気って自分で設計してもプロダクトにどのように反映されたか見えにくい。「自分が設計した」という実感をあまり得られない日々を過ごしていました。
また、勤務していた企業が企画・設計・販売に特化したいわゆるファブレス企業で、製作はアウトソースしていたため、製造工程に立ち会った経験がありませんでした。機械設計であれば、自分が設計したものがわかりやすいので、その道を目指すことに決めました。
転職活動は「機械設計」という大きな枠組みでスタート。その中で「ブラインド設計」ができるニチベイという会社を知ることになりました。知ってから思ったのは、スーパーにもコンビニにも、私達の暮らしの中にニチベイのブラインド商品がたくさんあること。大げさでなく、私はニチベイに囲まれて暮らしていたと知りました。
いろいろ調べる中で、設計から出荷まで一貫して工場内で行っていることも分かり、自分の希望に合致するニチベイを志望することにしました。新しい分野なので不安がなかったわけではありませんが、自身のキャリアアップにプラスになると感じました。入社して数年経った今、あのときの考えは間違っていなかったと心から思います。
入社前は電動ブラインドがどんな構造でできているか、どんな部品を使って作られているかを見るのが楽しみでした。予想ではたくさんの部品が使われていると思っていたのですが、実際は部品の数はとても少なく、かなりシンプルな作りをしていました。これは予想外で本当に驚きました。
きっと昔は、もっと多い部品で複雑に作られていたのだと思います。ですが必要な部品の数が多ければ多いほどコストがかかり、組み立てにも時間がかかってしまいます。少ない工数でいかに大きな効果を生み出せるか――。設計者たちが時間をかけて工夫を重ね、今の機構になったことを考えると、私も技術者として負けていられないなと思います。仕事へのモチベーションとともに、ニチベイの企業努力を感じた瞬間でしたね。
国際的な博覧会での仕事です。とある国のパビリオンのVIPルームに、その国と日本の調和を表現した絵を、ニチベイの電動ロールスクリーンに印刷展示することになり、そのプロジェクトチームとして活動しました。
スクリーンは横幅6mとかなりビッグサイズで4つ並べます。それぞれ別の絵が印刷され、時間になるとスクリーンが引き上げられ、絵がどんどん変わっていくという仕掛けです。制御含めていろいろと難しいところがありましたが、特に難しかったのが「音」。VIPルームということもあり、できる限り静かに絵を変えていきたい、という要望でした。
かなり難しいオーダーでしたが、プロジェクトチームで改良改善を加えた施工図を作り、何度も試作を重ねて、なんとか要望通りのものが出来上がりました。納品されたときは本当に嬉しかったですね。ただVIPルームに飾られるものなので、設置されたスクリーンは見ることができていないんです(笑)。それは少し残念ですが、普段の仕事とは少し違う貴重な経験ができすごく印象に残っています。
ニチベイは商品の設計から出荷まで一貫して自社工場内で対応しています。自分が設計した部品がどんな形で作られ、組み込まれ、検査され、お客さまのもとに届くのかが分かる、技術者にとって最高の環境です。
あとは私自身もそうでしたが、別の分野の出身者の視点がブラインド商品の設計をよりよくしていくと思います。私は電気系ですが、電動ブラインドの制御において、自分がこれまで培ってきたことが生かされていると感じています。これからはブラインド単体だけでなく、スマートホームのような家電全体の管理が求められる時代。いろいろな知見がもった人たちがニチベイに集まればいいなと思っています。一緒にニチベイで働きましょう!