
扉を開けると窓のロールスクリーンが巻き上がる
ドラマチックな演出で絵画のように四季を魅せる
ザ・リッツ・カールトン日光
本記事には、旧仕様の商品画像が含まれています。

奥日光の手つかずの自然と調和するように佇む
ザ・リッツ・カールトン日光は、中禅寺湖畔の男体山を望むロケーションに、奥日光の手つかずの自然と調和するように佇むラグジュアリーリゾートだ。館内のデザインコンセプトは「西洋と日本の建築デザイン、そして奥日光の自然が調和する邸宅」。栃木の伝統工芸を活かしたデザインや、日本家屋の縁側に見立てたラウンジエリアをしつらえた客室など、日本の繊細なミニマリズムをいたるところで体現している。
絵画のように景色が見られるドラマチックな窓辺

スイートルームに足を踏み入れると、電動ロールスクリーンが自動的に巻き上がり、中禅寺湖と男体山が姿を現わす。これは客室ドアの解錠に連動した演出。日本有数の景勝地として知られる奥日光の景色が、ドラマチックに眼前に広がるさまは壮観の一言。
ザ・リッツ・カールトン日光の窓辺はいずれも額縁のようなデザインで、その先の景色を切り取って絵画のように見せてくれる演出が心憎い。きらめく湖の水面、その先の雄大な山並みに見惚れながら、しばし窓辺でその眺めを堪能する。


電動ロールスクリーンは2層になっている。1つは燦々と降り注ぐ光を和らげるシースルー生地のロールスクリーン。もう1つはゲストの安眠を叶える遮光のロールスクリーンだ。遮光性能を高めるためガイドレールに生地を挿通させる仕様で、わずかな光も通さない。また、ガイドレールは特注色で塗装して、空間に溶け込ませている。
夜は完全遮光のロールスクリーンを降ろして眠りにつきたい。翌朝、全自動のスクリーンが静かに上がると現れる、まるで名画のような情景を楽しみに。
景色と伝統工芸も味わえるダイニング

中禅寺湖を望む「日本料理byザ・リッツ・カールトン日光」は、栃木の伝統工芸である組子をデザインに取り入れた温かみのある空間。開放的なテラスと室内を仕切る窓には、電動ハニカムスクリーンが配されている。
ハニカムスクリーンはその名のとおり、断面が蜂の巣状の六角形が連続した立体構造のスクリーン。この蜂の巣状の部分が空気層となり、遮熱・断熱効果を発揮する。ゲストに快適な空間を提供できるだけではなく、冷暖房効率が向上するためホテル側のメリットも大きい。

機能性もさることながら、意匠性にも着目したい。横からみると室内側と窓側で生地の長さが異なり「D」のような形になっている。この形状により、室内のプリーツラインを美しく維持できるのだ。生地は和紙のような風合いがあり、障子のように光を柔らかく透過する。さらに、電動のため昇降操作用のコードが表に出ず、より洗練された印象になる。

洋食ダイニング「レークハウス」にも電動ハニカムスクリーンを設置。壁面スイッチとRFリモコン、どちらでも操作可能とした。遠隔操作のため食事中のゲストを煩わせることもない。
窓いっぱいに広がる奥日光の自然と心地よい光を感じながらの食事は、身体だけでなく心まで満たしてくれる。
※この記事は、「週刊ホテルレストラン」第55巻44号に掲載された原稿を再構成したものです。