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インテリア写真講座vol.2
「白とび」「黒つぶれ」しない写真の撮り方を学ぼう。
部屋の写真を撮る時、窓の部分が白くなったり室内が暗くなったりして、なかなかキレイに撮れなかった経験ありませんか?今回もプロカメラマンである木下誠さんを講師にお迎えして、「白とび」「黒つぶれ」しない写真の撮り方を教えてもらいました。
PROFILE人物紹介
講師:木下 誠さん
プロカメラマン歴15年のベテラン。
ちーちゃんのカメラ師匠。生徒:ちいちゃん
最近カメラに興味を持ち出した、
SNS大好き女子。
窓が白くなっちゃう「白とび」はなぜ起こるの?
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師匠~窓を入れて撮ると、なぜか真っ白になっちゃうんです。
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それは窓の「白とび」問題だね。これは水平垂直と同じくらいとっても大事なので、一緒に学んでいこう!
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はーい! でも何で目には普通に見えるのに、写真だと真っ白に撮れちゃうんですか?
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いい質問だね!簡単に説明すると暗い場所から、急に明るい場所に出ると周りが真っ白に見えるよね。人間の目は少し時間が経てば慣れるけど、カメラはこの「明るさの差」に凄く弱いんだ。だから明るい部分と暗い部分が一枚の構図に入っていると、見た目以上に「明るさの差」が出てしまうんだね。
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えー!
じゃあ解決方法ないんですか? -
正直目で見えるように完璧な明るさで撮るのは今のスマホだけでなく一眼レフでもなかなか難しいんだ。でもその明るさの差を和らげる方法はあるよ。
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その方法教えてください!
撮影する時、明るさを変えてみよう
窓などの明るい部分が白く飛んでしまうことを「白とび」、逆に暗い部分が見た目以上に暗くなってしまうことを「黒つぶれ」と呼びます。これはカメラの中に明るさの差を記憶するイメージセンサーがあり、この範囲をダイナミックレンジと呼ぶのですが、この記憶できる明るさの範囲を超えてしまうと起きる現象です。ではどうすれば「白とび」、「黒つぶれ」を改善出来るのか。まず一番簡単な方法は「明るさを変える」です。明るい部分と暗い部分の差はあまり変わりませんが、写真全体の明るさを適度にして、写真の見た目を改善する方法です。
「白とび」した写真
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「黒つぶれ」した写真
皆さんはスマホで撮影する時、そのままシャッターボタンを押していませんか? あまり知られていませんが、実はスマホの撮影でも明るさを変えることが出来るんです。まずはピントを合わせたい部分をタップ。すると黄色の枠が表示されます。その横に小さく太陽マークが出てきませんか? この太陽マークを指で上下にスワイプすることで明るさを調整することが出来ます。上にスワイプすると明るくなり、下にスワイプすると暗くなります。
明るさを変えて撮影した写真です。窓の白とびは残りますが、部屋全体の明るさを優先して調整したので、全体にまとまりが出ます。コツとしては一番綺麗に見せたい部分を指でタップすること。スマホカメラは指でタップした部分の明るさを最優先して調整してくれます。例えば窓を綺麗に撮りたい時は、画面の窓をタップ。窓は適度な明るさになりますが、それ以外の部屋は暗くなってしまいます。そこで部屋全体が明るくなるように太陽マークを上にスワイプして、適度な明るさに調整すればいいのです。
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普通に撮影した写真
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少し暗くして撮影した写真
カメラの隅に表示される「HDR」ってなんだろう?
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スマホで明るさを変えられるんですか!知らなかった!
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意外と知られていないけどできるよ。これだけでもかなり調整出来るんだ。
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そういえば白とびを改善するもっといい方法ありますよね!確かHなんとかっていったような。
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そう!HDRだね。
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でもHDRって
イマイチわからないんです。 -
そっか。HDRはとっても簡単なので、すぐ覚えられるよ!早速やってみよう!
HDRとは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略称です。仕組みを簡単に説明すると、明るさの違う写真を一度に複数撮影して、自動的に合成してくれるという画期的な機能。最近ではスマホだけでなく、一般的なカメラにも機能として採用されています。
「HDR」を使ってみよう
まずはスマホ(iPhoneの場合)の設定を変えていきます。
設定方法(iPhoneの場合)
カメラ→ HDR→ オン → 撮影

この手順で撮影すればOK。カメラ設定の中の「通常の写真を残す」をONにしておくと、通常撮影とHDR撮影の2枚が保存されます。両方の写真を見比べたい時は、ここをONにしておきます。
設定方法(iPhoneの場合)
ホーム画面 → 設定 → カメラ→
通常の写真を残すをON

HDRで撮影したのがこちらの写真。普通に撮った写真と比較すると明るさの差が和らいで、全体的にソフトな印象に仕上がります。室内も、窓越しに見える屋外も綺麗に撮影したい時はHDRがおすすめです。ただHDRは全ての場所の撮影に向いているわけではありません。例えば今回のような室内から屋外を撮影する場合や、海や川などの光が反射する場所などに適しています。HDRは複数の写真を合成するので、動いている被写体には不向きです。
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普通に撮影した写真
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HDRで撮影した写真

知っておきたい!
その他の対処法
天候や時間帯を変える
先ほど説明した通り、カメラは「明るさの差」に弱い特徴があります。この「明るさの差」は天候や撮影する時間帯でも変わるので、撮影するタイミングを変えるのもいいでしょう。快晴よりも曇り、時間帯でいえば直射日光が窓に当たる時間より、早朝や夕方の方が明るさの差が出にくくなります。この写真は直射日光が窓に当たらない時間帯で撮影したもの。ブラインドの透けた感じもしっかり写っています。

構図を変える
裏技の対処法として、大胆に構図を変えてみるのもいいでしょう。「白とび」や「黒つぶれ」は同じ構図に明るい部分と暗い部分があるために起こる現象です。あえて明るい部分や暗い部分、どちらかの割合を多くした構図にすれば、「白とび」や「黒つぶれ」は起こりにくくなります。

室内の照明を点けてみる
室内の照明を点けてみるのも一つのアイデア。明るさの差が改善されるだけでなく、例えば照明の光や色合いも見せたい時は効果的。ただ大幅な変化は期待できないので、あくまで雰囲気作りとして試してみてください。

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色んな方法があるんですね。
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明るい部分と暗い部分の両方を綺麗に見せることも大事だけど、あえて「白とび」や「黒つぶれ」を楽しんでもいいかもね。
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え?どうしてですか!?
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これが正解っていう答えがあると写真ってつまらないじゃない? たまたま撮れた写真が良かったりすることあるよね。だから失敗したと思っても、その写真をちゃんと見ることも大事。
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なるほど。よーし、失敗を恐れずいっぱい撮るぞー!
まとめ
written by 木下誠
2020.8.7 更新
いかがでしたか?「白とび」「黒つぶれ」しないインテリアの写真を撮ってSNSにアップしてみてください。