窓辺が変わるだけで、空間が生まれ変わる!
リノベ・リフォームをするなら“窓まわり”もチェンジ
光や風を採り入れる窓は、住まいになくてはならない場所です。けれども、インテリアを検討する際、窓まわりアイテムは後回しにされやすく、最後に決める方も少なくありません。
窓は意外と面積が広く、何をつけるかで部屋の印象が大きく変わります。
今回は、空間提案を数多くされている(株)デコラホームステージング代表の小沼さんに、インテリアにおける窓まわりの重要性についてお話を伺いました。
“おせっかい”が幅広いサービスをはじめるきっかけに
まず、小沼さんのお仕事について教えてください。
- (株)デコラホームステージングは、奥さまの御用聞きから始まった会社なんですけれども、 つい“おせっかい”で、色々やってあげたくなってしまって(笑)
現在では、店舗や住宅のリフォームやリノベーション、インテリア提案、ホームステージング、遺品整理まで幅広いサービスをご提供しています。 -
弊社の強みは、ホームステージングをセットにしているところです。ホームステージングとは、不動産をより高く、より早く売却するアメリカ発祥のサービス。モデルルームのように家具や小物で演出し、物件の魅力を引き出します。購入者さまにとっても、その家で暮らすイメージが想像しやすく、“間違いない住まい”を購入できるといったメリットがありますよ。
私どもはリノベーションからホームステージングまで一貫して行えるので、完成度の高い空間をご提供できると自負しています。
お客さま以上にお客さまの暮らしについて考えるのがプロの役目
小沼さんが空間を提案される際、大切にしていることはなんですか?
お客さまに頼まれた通りにするのではなく、あらゆる角度から検証して最適なご提案をするように心がけています。
たとえば、「リビングの掃き出し窓にウッドブラインドをつけたい」とご依頼があったとします。言われたままに設置するのではなく、本当にその窓はウッドブラインドで良いのかを考えてあげなくてはなりません。ウッドブラインドはかっこいいですが、頻繁に出入りする窓につけてしまうと、毎回ブラインドを上げなくてはならず大変です。そういったデメリットはきちんとお伝えするようにしていますね。
その上で、「ウッドブラインドは腰窓につけて、掃き出し窓には横方向に開けられるカーテンやバーチカルブラインドはいかがですか?」とお話をしています。お客さま以上にお客さまの暮らしについて考えるのがプロの役目だと思っています。
私は、もっと良くするように変えるのが大好きで、いつも依頼内容とは別のことを考えています。設置するブラインドを選びに現場に行ったのに、「そもそも窓のサイズが間違っているから、大きさを変えませんか?」と持ち掛けるときもあります(笑)
お客さまには驚かれますが、「実は壁を広げたかったんです」と本当の希望を引き出すきっかけにもなるんですよ。これからもお客さまの思い描いていた住まいに近づけるようなご提案をしていきたいです。
眺望が期待できない窓には素敵なブラインドを
小沼さんは集合住宅のリフォームやリノベーションを多く手がけられていますが、窓まわりの改装はどのように提案しているのでしょうか?
- 集合住宅のリフォームやリノベーションでは、窓は共用部分にあたるため工事が行えません。窓枠がキレイであれば問題ありませんが、老朽化で窓枠の状態が良くない場合もあります。そこで、大事になってくるのが、ウインドウトリートメント※。ブラインドを正面付けすれば、窓枠を露出させずに済みます。
眺望が期待できない窓には素敵なブラインドやスクリーンを設置して、そちらに目線を誘導することもあります。これは、ホームステージングでも使う手法なんですよ。ウィンドウトリートメントはインテリアに欠かせないアイテムです。
※カーテンやブラインドなど窓装飾の総称 -
大事なアイテムにも関わらず、最後予算がなくて既製品をつける方が結構多いんですよね。いつももったいないなと感じています。全ての窓辺にオーダー品を設置するのは予算的に厳しいですが、長く使うものですし、空間の完成度を高める大切なアイテムなので、なるべく予算を確保したいですね。
ご契約する住宅ローンが家具やウィンドウトリートメントも含められるタイプであれば、入れた方が良いですよ。月々の金額にしたら少しプラスになるだけですので、積極的に活用してほしいなと思います。
「窓辺」を変えるだけで空間の印象がグッと変わる
小沼さんのSNSで“築年数が経っているお宅でも、窓まわりを変えるだけでお部屋の印象がランクアップする”と拝見しました。
- 窓は意外と面積が大きいからこそ、そこをリニューアルするだけで、グッと部屋の印象を変えられます。予算はないけれど、部屋の雰囲気を変えたい時はウィンドウトリートメントをおすすめしています。施工もラクですし、家具移動もしなくても済むので。
「カーテンをバーチカルブラインドに変えると、シャープな印象になりますよ」とご提案しています。 -
プチリフォームとして、多くご依頼いただくのは壁紙の貼り替えです。その際、「カーテンはそのままで」とおっしゃるお客さまが多いのですが、周りが替わると、今までなじんでいて気がつかなかった汚れが目立つんですよね。そのため、壁紙とウィンドウトリートメントはセットでリフォームするようにしています。カーテンやブラインドは脇役になりがちですけれど、ぜひ壁紙と一緒に考えていただきたいですね。
- 小沼景さん (株)デコラホームステージング代表。プチリフォームから収納アドバイス、店舗リフォーム、大手リノベーションなどを手がける。また「社団法人日本ホームステージング協会」の認定講師として、日本全国で講義活動を行っている。
Written by なるほどブラインド編集部
2023.6.29 公開