
調光ロールスクリーン
「ha・na・ri」で
窓まわりをグレードアップ!
皆さんはお部屋の窓に何をつけていますか?カーテン、ロールスクリーン、ブラインドなどの窓まわり装飾を“ウィンドウトリートメント”と言います。窓は面積が大きい場所だけに、ウィンドウトリートメントを変えるだけで部屋の印象が大きく変わります。
今回は建築家の堀泰彰(ディンプル建築設計事務所主宰)さんが、自邸の窓まわりを模様替えした様子を紹介します。
建築家の堀さんがロールスクリーンをつけたワケ

建築家の堀泰彰さんは、武蔵野市の住宅街にある築62年の中古住宅を購入。自身でリノベーション設計し、奥様と2匹の猫と一緒に住んでいます。周囲に家が迫る立地ですが、隣家との見合いを上手に避けながら、南と東側に大きな開口部を設けました。窓から見えるたくさんの緑がとても心地よいお宅です。
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開口部から望む緑が美しい堀邸。
もともといつ気が変わってもいいように、開口部の下がり壁の裏に奥行き7cmほどのスペースを設け、カーテンなどを取りつけた時に設置部分が隠れるよう設計しておいたそうです。今回、1階の南面のリビングの窓、東側に付いたキッチンの窓、そして2階の寝室と、3つの異なるウィンドウトリートメントを設置しました。
特に、南面につけた調光ロールスクリーンは、堀さんも「こんないいものがあるとは知らなかった!」という商品。それが、ブラインドの老舗メーカー「ニチベイ」の「ha・na・ri」(ハナリ)です。
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調光ロールスクリーン「ハナリ」を取りつけたところ。空間の質がグッと上がった。
もちろん、緑いっぱいの開口部も素敵ですが、「ハナリ」を付けたことで空間の質が変わったと思いませんか?「すごく上品な印象になりましたね」と堀さん。光が柔らかく拡散して、ふわっと優しい空間になりました。
「主張しすぎないもの、なるべくプレーンなタイプを選んだのですが、透けた感じがいい。全く透けないのも気持ち悪いし、透けすぎてもよくないから、それを調整できるのがすごく便利ですね」と満足気です。
デザイン性+多機能。
調光ロールスクリーン「ha・na・ri」(ハナリ)の特徴

ところで、この調光スクリーン「ha・na・ri」(ハナリ)とは、いったいどんな商品なのでしょうか?
ロールスクリーンを降ろしたまま光を調節できるなんて、ちょっと想像がつきませんよね。「ハナリ」が調光できる秘密は、「立体生地構造」にあります。
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「ハナリ」の立体生地構造。手前と奥のレース生地に接着された不透明生地の角度を変更することで、調光を実現。
- 2枚のレース生地の間に不透明生地が接着された立体構造になっていて、真ん中にある不透明生地をブラインドのスラット(はね)のように回転させることで、光を調節できるんです。
スクリーンを一番下まで降ろした状態で、うしろ側の操作コードを引くと生地が立体的に展開して不透明生地が水平(シースルー状態)になり、光を室内に届けます。この状態で今度は手前の操作コードを引くと、不透明生地は徐々に垂直に近づき、外からの視線を遮れます。
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光を通したところ。
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光を遮ったところ。
また、ボトムレールが窓枠に当たった時の音を低減する「ソフトクッション」をオプション設定。コード絡まり事故防止用の「クリップ」が付属するなどの配慮も、老舗メーカーならでは。
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窓枠に当たった時の音を低減する「ソフトクッション」。(オプション)
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子ども(や猫)が誤っていじらないよう操作コードを巻き上げておくことができる「クリップ」が付属。
取付けはとっても簡単。ブラケット(取付け金具)をビスで固定したら、あとは本体をブラケットにカチッとはめるだけで終了です!
- ロールスクリーンはフラットな生地ですっきりシンプルですが、カーテン同様細やかな調光ができないのが難点でもあります。「ハナリ」はその難点を克服しつつ、通常のロールスクリーンと同じようにコンパクトに巻き上げることもできます。デザイン性と機能を兼ね備えた優れものです。
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取付けも簡単
種類はほかにもイロイロ。ウィンドウトリートメントをもっと楽しもう!

また、堀さんは「ハナリ」だけでなく、ほかの種類のウィンドウトリートメントにも挑戦しています。
東側の窓には、通常のロールスクリーンを。外の緑がほんのり透けて見え、陽射しをふんわりと拡散させる薄手のものを選びました。
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東側の窓につけたロールスクリーン「ソフィースマートコード式」。生地は薄く、軽く、緩やかに織られた「ベーネホワイト」。
2階の寝室には、約2.5mの横長の窓があります。「実は引っ越す前に使っていたブラインドがあって、幅が寸足らずだったけどそのままつけていたんです」
今回は寸法を図ってオーダーしたアルミブラインドを取りつけ、その仕上がりに満足そうな様子。
昇降コードの穴がない高遮蔽の上位モデル「セレーノグランツ35」は上品な印象です。機能的にも寝室にピッタリですね。
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2階の寝室には、アルミよこ型ブラインド「セレーノグランツ35」を設置。スラットカラーは遮熱塗料を用いた「スターホワイト」。
「新築やリノベの際に、どんなものをつけてもいいように窓まわりを設計しておくことも大事ですね」と堀さん。
ウィンドウトリートメントの種類は意外と豊富にあります。窓まわりは室内の印象を大きく左右する場所。見た目はもちろん、機能もきちんとチェックしておくことで、暮らしがより快適になりますよ。
まとめ
- 堀 泰彰さん 1973年大阪府生まれ。2004年にNAP建築設計事務所に入所。設計室長を経て2009年に「ディンプル建築設計事務所」を設立。今回ご紹介した自邸は2016年度グッドデザイン賞を受賞。
※この記事は「日刊Sumai」に掲載された原稿を再構成したものです。
2021.7.20 公開
ウィンドウトリートメントひとつで、空間の印象がかなり変化することがお分かりいただけたと思います。今は高機能でデザイン性の高い商品がたくさんありますよ。みなさんももっと窓まわりのおしゃれを楽しんでみてはいかがでしょうか。