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窓を重ね、
街と仕事と暮らしを緩やかにつなぐ家

光や風、景色を室内へと導き、内外をつなぐ開口部は、住まいのデザインと快適性に関わる重要な存在です。
今回は開口部と庭を主役に据え、ロールスクリーンとバーチカルブラインドで外部環境とのつながりを調整しながら心地よく暮らしている住まいを取材してきました。

つながりたいときにつながれる住まい

中庭に面した窓に新たにロールスクリーンを設置。スクリーンに映る植栽の陰影を楽しみながら遮熱効果も実感



  • 住宅街にひっそりと佇む大きなガラス戸が印象的な建物は、建築家の小倉大助さんの自宅兼アトリエ。中を覗いてみると中庭やその奥にあるリビングの様子がうかがえます。
    コンセプトは「つながりたいときにつながれる住まい」。同じ位置に窓を重ねて街(社会)と仕事場、暮らしをつなげ、建具や窓まわりアイテムでそれぞれの関係性を調節できるようにしました。

  • 「身近な存在の建築家になりたい」と話す建築家の小倉大助さん

小倉さんが最もこだわったのは可変性。常に外部とつながるのではなく、気分や状況に応じて距離感を変えられることで、心地よい関係を築ける住まいにしました。
また、プランに余白を設けているのも可変性の表現のひとつ。1階の土間と2階の予備室はあえて用途を断定せず、お子さんの成長や来客に応じて使えます。

「決め切らないことを意識して設計しました。外とのつながりも間取りも都度調整できた方が暮らしやすくなりますし、住まいの可能性も広がると思います」

  • 2階の予備室は、将来お子さんが自室にこもらないで過ごして欲しいという思いから子ども部屋の隣に配置したのだとか
  • 普段は間仕切戸を開けて廊下とひと続きに。来客時は戸を閉めてゲストルームとして使用可能
  • 現在は打合せスペースにしている1階の土間。南側と北側の窓を開け放つと半屋外空間になる

窓先の風景があることで全部の窓が好きになる



窓先の風景づくりにも力を入れたと話す小倉さん。中庭を囲むようにコの字型に建物を配置し、庭に面した部分に窓をしつらえました。
外構はランドスケープデザイナーに依頼して、前庭と中庭、家の周囲にも小さな庭をつくりました。常緑樹と落葉樹を混植させたことで、季節の移ろいを感じられつつも一年中緑が楽しめます。インテリアはフローリングから家具、建具に至るまで木材をふんだんに使用し、庭と親和性の高い温もりある空間に仕上げました。

  • 家のどこにいても自然が感じられるのは中庭のおかげ。シンボルツリーのサルスベリやミツバツツジが暮らしに彩りを添える
  • バーチカルブラインドを開けるとリビングを介して南北の庭がつながる。キッチンの窓先にも木を植えて風景をつくっていた
  • 照明計画は照明デザイナーに依頼。煌々と照らすのではなく、活動する場所に絞って照明を配して空間の美しさを引き立てている

「この家ではできるだけ多くのシーンを描きたくて窓をたくさんしつらえました。少し素敵な景色が見えるかどうかで心地よさが大きく左右されるため、その先の外部環境もしっかりつくり込んでいます。この家は外部環境をデザインして室内に入れ込んだので、全部の窓が好きでいられますね」

廊下にも大きな窓があり、中庭や空を映し出します。いつも自然を身近に感じたい、他の部屋に移動するわずかな時間をも豊かにしたいという思いが反映されています。


  • 廊下は生活シーンをつなげる大事な要素。素敵な風景をつくり、単なる通路から心がときめく空間へと変化させた
  • 2階の廊下の窓から樹木越しに見えるアトリエ

要素を削ぎ落とし美しい窓辺をデザインしていく

ブラインドボックスに納めたバーチカルブラインドとロールスクリーンは、どちらもミニマルな仕立て



窓辺にはブラインドボックスがしつらえてあり、ロールスクリーンやブラインドが美しく納まります。

「多くの建築家は表に出る線を1本でも減らしたいと思って設計をしています。ブラインドボックスを備えたのもその思想からですね。ただ、コストがかかるため、僕はとくに大事にしたい窓にだけブラインドボックスを設けます。それ以外はメーカーさんも美しい商品を開発してくださっているので、信頼してそのまま設置しています。ニチベイさんはシンプルなデザインだったり、壁や建材の色に合わせてブラケットの色まで指定できたりと、細部にまで美意識が行き届いているのが良いですね」

  • ブラインドボックスに設置したバーチカルブラインド。納まりが美しいだけでなく、上部からの光漏れや熱の流出入を軽減する効果も
  • ロールスクリーンとバーチカルブラインド共通のブラケット(全5色)。クロスに合わせてホワイトを指定した

窓まわりアイテムの設置方法や仕様にも小倉さんのこだわりが感じられます。バーチカルブラインドは開口部を塞がないようにたたみ代(ルーバーの溜まり)を壁側に逃して設置。ロールスクリーンはコンパクトなウエイトバーを生地で包み込んだ「ミニマルタイプ」にしたことで、金属部品が見えず、自然に包まれた室内にも違和感なくなじみます。
操作方式は「スマートコード式」を採用。操作部が目立たないミニマルなデザインで周囲に溶け込みます。


  • バーチカルブラインドは「バトン式」を採用。1本の操作バトンだけでルーバーの開閉と回転が可能
  • ルーバーの下部にスペーサーコードのない「ミニマルウエイト」は窓辺を美しく演出する
  • LDKのロールスクリーンは「ミニマルタイプ」。スクリーンを巻き上げるとウエイト部が隠れるところがお気に入りだそう

透け感のある生地なら閉めていても外とつながれる



階ごとに生地を使い分けている小倉邸。陽射しが穏やかな1階は、プレーンな表情の「サージュ」を、陽射しが強い2階は遮熱生地の「ルーテ遮熱」にしました。

「ロールスクリーンは生地の種類が豊富で環境に合わせて使い分けられるのが良いですね。一般的な遮熱生地は光沢が強く、質感も工業製品感が否めませんが、『ルーテ遮熱』は光沢が抑えられていて、ファブリックらしい質感が気に入りました。機能と質感のバランスが良く、住まいになじみますね」

  • ミディアムクラスの透け感の「サージュ」。室内の様子や外の風景のシルエットがほんのりと映る
  • 「ルーテ遮熱」は酸化チタンを練り込んだ糸と織り組織との組み合わせで、高い遮熱性とUVカット効果を発揮する

どちらも透け感がある生地で、プライバシーを確保しながらも外とのつながりを完全に遮りません。閉めていても外の気配をやんわりと伝え、暮らしにいろいろな表情を添えます。

窓まわりアイテムを活用して、外部環境との距離感を調節しながら暮らす小倉さん。つながりを意識しながらも決して無理はしない。その緩さが、暮らしに心地よさと広がりをもたらしていました。

  • 小倉大助さん 「小倉建築計画工房」主宰。新築からリフォーム、店舗まで幅広く手がける。狭小地や旗竿地、傾斜地などの難しい敷地条件での設計も得意。
    「どんな特徴もメリットに変える設計」を信念に、お客さまから出た要望を丁寧に読み解き、最高の住まいを提案している。

Photo by Akiko Osaki/Written by Naoko Hashiguchi

2025.2.25 公開

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