
ブラインドで光を感じる
明るさと開放感を叶えたビンテージマンションリノベ
近年注目度が増しているマンションリノベーション。費用を抑えながらも利便性の高い場所を選べたり、自分好みの間取りやデザインを実現できる点が魅力です。しかし古い建物の場合、サッシにも手を入れたいところですが、サッシ枠と窓ガラスは共用部分とされており、おいそれと交換することはできません。内窓を設置するにしても、美しく仕上げるには相応の費用が発生します。
そこで注目なのが窓まわりアイテムです。プライバシー確保のため、カーテンやブラインド類は必ず必要になりますが、窓の環境や使い勝手を考慮したアイテムを選ベば、見た目も暮らしやすさもぐっと良くすることができますよ。
今回は念願のマンションリノベを果たしたMさんに、完成したばかりの新居と窓まわりアイテムを見せていただきました。
”暮らしやすさ“を意識した開放感のあるワンルーム

数年前から中古マンションのリノベーションに興味があったMさんは、昨年築50年ほどのビンテージマンションを購入し、念願だったマンションリノベーションを実現しました。
リノベーションをするにあたっては、使い勝手を考慮し、もともと1LDKだった間取りをワンルームに変更。天井は30cmほど上げて開放感を出しました。白を基調とした明るい空間に、お気に入りの家具やアート、観葉植物を飾り、シンプルでモダンなインテリアをつくり上げています。
光を届けるシースルーのバーチカルブラインド

空間作りで開放感と明るさを重要視していたMさんは、リビングの窓にはスタイリッシュですっきりとしたバーチカルブラインドをつけたいと思っていたそうです。バーチカルブラインドには不透明生地とシースルー生地を組み合わせたモデルもありますが、納まりの良さと採光を考慮し、シースルー生地の『シングルスタイル』を選びました。
「ブラインドボックスを造作したり、天井近くからブラインドを設置することも考えましたが、エアコンと干渉してしまうため、奥行きがコンパクトな『シングルスタイル』を窓枠内に設置することにしました。ルーバー(はね)は回転させても全開にしても室内側に大きくせり出さないので、部屋を広く使うことができます。」
リビング空間は玄関の正面奥に位置しています。廊下との間は開放感のあるガラスのハイドアで仕切られているので、玄関にいてもシースルー生地から射し込む光を感じることができます。
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窓まわりがすっきりとし、インテリアやグリーンを飾りやすくなったそう
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ルーバーを連結するコードがなく、ウエイト部が薄くコンパクトな「ミニマルウエイト」仕様をチョイス
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「南東に面したリビングの掃き出し窓は、周囲に別のマンションが建っていて、太陽が直射する時間が限られています。少しでも多く採光するためにシースルー生地を選びました。シースルー生地は閉めたままでもやさしい光が部屋中に拡散されるので、何もつけていないときよりもかえって明るくなった気がします。」
日中は電気をつけなくても心地よく過ごせているそうです。 -
暗い印象になりがちな廊下にも光が届きます
自身のライフスタイルに合わせた生地選び

バーチカルブラインドの生地にはたくさんの種類があり、色だけでなく風合いや透け感も様々です。Mさんはたっぷりと光が採り込めるように、シースルー生地の『ミラーレース遮熱』を選びましたが、生地の透け感でかなり悩んだそうです。
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「少しでも多く部屋に光を入れたいという気持ちと、女性の1人暮らしなのでプライバシーが気になる気持ちの両方がありました。」とMさん。
候補になったのはシースルー生地の『ベーネ』、『ミラーレース遮熱』、シークレット(不透明)生地の『エルデ』の3種。サンプルを取り寄せガラス面に貼り、時間帯ごとにどう変化があるのか確認したそうです。 -
左から『ベーネ』『ミラーレース遮熱』『エルデ』
「シークレット生地の『エルデ』は朝日でぼんやりと明るくはなりますが、部屋全体は明るくなりませんでした。『ベーネ』は透け感が強く、日中は理想的な明るさでしたが、夜は外からの視線が気になるように思い、最終的に日中の室内が見えにくい『ミラーレース遮熱』を選びました。夏の暑い陽射しを遮るので、遮熱性が不足している古い窓の性能もカバーできると思いました。
念のため設置後に、夜は外からどれくらい透けて見えるか確認してみましたが、室内の照明を抑え目にしていることや、窓に周りのマンションが反射していることもあり、透け感はほとんど気になりませんでした。周辺環境や自分のライフスタイルに合うものが選べてよかったと思います。」
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『ミラーレース遮熱』を通して1日の時間の移り変わりを感じられます。間接照明の温かい光が落ち着いた雰囲気を演出
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リビング空間にあるベッドスペース。朝は柔らかく射し込む光で気持ちよく目覚められます
動線を意識した快適な洗面&メイクスペース

玄関を入ってすぐの場所にあった居室は壁を撤去し、フレキシブルな洗面スペースに。大きめのタイルやサークル型の収納付きミラー、マットな質感の洗面台などが配され、シンプルながらもこだわりが詰まっています。
窓際はメイクスペース、奥はウォークインクローゼットになっているので、忙しい朝もスムーズに準備ができます。
- マンションの通路に面した窓は、人目が気になる上に西日が強く射し込みます。そこで選んだのはよこ型ブラインド「セレーノグランツ」。スラット(はね)に昇降コード穴がなく、光漏れが気になりません。煩わしい西日をほど良い明るさにコントロールできます。
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コード穴がないので規則正しいよこのラインも引き立ちます
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上からツヤ有『クールホワイト』、ツヤ消『マットスモークホワイト』、グロスレス遮熱『ラフクールホワイト』
- スラットはグロスレス遮熱シリーズの『ラフクールホワイト』。陶器を思わせるようなマットな質感は、インテリアや壁材に馴染みやすい上に、眩しさを抑制する効果もあります。
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こちらの窓はMさんがリノベする前から内窓が設置されていたため、窓枠内の奥行きが小さかったのですが、アルミブラインドはヘッドボックスが比較的コンパクトなのできれいに納めることができました。
スラット(はね)の回転により自在に採光できるので、窓やサッシが古い場合も隠しながら使用できます。
シンプルですっきりとした空間だからこそ、納まりやデティールにこだわると1つ1つのインテリアが引き立ちますね。 -
操作方法は「ワンポール式」。操作棒はクリアで目立たず、操作棒に昇降コードが内蔵されているため見た目もすっきり
まとめ
2025.01.31 公開
窓まわりを整えると見た目も暮らしやすさもより魅力的になり、自分好みの空間が作りやすくなります。ブラインドは交換が難しい古いサッシや窓ガラスの弱点をカバーできるので、マンションリノベにうってつけのアイテム。後回しになりがちな窓まわりアイテムですが、他のアイテムと同様に最初から検討してみてはいかがでしょうか。